会社員の副業に会社設立は必要?法人化を考える5つの判断ポイント

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「副業を始めたいけれど、先に会社を作った方がいいのだろうか」
「個人で仕事を受けるのと、法人化するのでは何が違うのだろう」

会社員が副業を始めるために、会社設立が必須というわけではありません。個人で事業を始め、状況に応じて法人化を検討する方法もあります。J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

法人化を考えるときは、勤務先のルール、取引先の条件、利益と資金繰り、設立後の費用、運営体制を確認しましょう。売上の金額だけで決めると、続けるための負担を見落としやすくなります。

この記事では、民間企業に勤めながら、自分で仕事を受けたり事業を始めたりしたい方に向けて、会社設立を考える順番を整理します。

参考:中小機構 J-Net21「個人事業と法人のどちらがよいか」

副業を始めることと、会社を設立することは別の判断

副業には、別の会社でアルバイトをする方法もあれば、自分で商品やサービスを提供する方法もあります。会社設立を検討するのは、主に後者の事業の形を考える場面です。
check-roudou.mhlw.go.jp

参考:厚生労働省「副業・兼業と労働条件」

自分で事業を営む場合にも、個人として行う方法と、株式会社や合同会社などの法人を設立する方法があります。

また、会社設立と退職は分けて考えたいテーマです。「法人化するか」だけでなく、「本業を続けながらどこまで対応できるか」も整理しましょう。

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会社員から独立を考える前に確認したいこと

会社員が法人化を考える5つの判断ポイント

法人化するかどうかを考えるために、まず次の5項目を書き出してみてください。いくつ当てはまれば法人化すべき、という点数式の診断ではありません。自分の判断に足りない情報を見つけるための確認項目です。

1.勤務先のルールと、本業を続ける条件を確認できているか

会社員のまま事業を始めるなら、最初に勤務先の就業規則や必要な手続きを確認しましょう。

副業の届出・承認に加えて、自分の会社の役員に就く場合に確認が必要な事項も、勤務先の担当部署に聞いておくと安心です。

特に、営業経験を生かして仕事を受ける場合は、勤務先と競合する仕事に当たらないか、顧客情報や社内資料の扱いに問題がないかを整理してください。

厚生労働省も、副業・兼業では勤務先のルールの確認や、本業への支障、秘密保持、競業などへの留意を求めています。check-roudou.mhlw.go.jp

参考:厚生労働省「副業・兼業と労働条件」

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有職者が副業を考えるときの注意点

2.法人で契約する必要性が、実際にあるか

法人化を考える理由として、まず確認したいのは取引先の条件です。取引相手に法人を求める企業もあります。city.shinagawa.tokyo.jp

参考:品川区「創業の『かたち』編」

たとえば、営業支援やWeb制作を請け負う際に、相手から「契約は法人に限る」と説明されたケースなら、会社設立を具体的に比較する理由になります。

このときは、法人であること以外の取引条件や、実際に契約できる見込みも確認しましょう。会社を作れば受注が確定する、という意味ではないからです。

反対に、個人との契約に対応している取引先であれば、「法人名があると良さそう」という印象だけで急ぐ必要はありません。

**誰と、どのような契約をするために法人化したいのか。**ここを一文にできると、検討すべき条件が見えてきます。

3.売上だけでなく、利益と入金の見通しを把握できているか

売上が増えたときこそ、そのまま手元に残る金額と混同しないようにしましょう。

外注費、仕入れ、広告費、ツール代などを差し引くと、見た目の売上ほど利益が残らないこともあります。さらに、売上が発生しても、代金が入る前に支払いが来る場合があります。

まずは、次の3つを分けて整理してください。

  • 売上と経費: いくら売れて、事業にいくら使っているか
  • 継続性: 単発の受注か、今後も続く見込みがあるか
  • 資金繰り: いつ入金され、いつ支払いが発生するか

まだ始めていない方は、見込みを「確定していること」と「これから確かめること」に分ければ十分です。

税負担の比較も、売上だけで結論は出せません。本業の給与、副業の利益、役員報酬の設定、社会保険や維持費などを含め、個人と法人それぞれの条件で試算することが大切です。

4.設立後にかかる費用と事務作業を続けられるか

会社設立を検討するときは、設立時の見積もりと一緒に、設立後の年間費用も確認しましょう。

確認したいのは、税金、条件に応じた社会保険料、会計ソフト代、専門家に依頼する場合の顧問料や決算料などです。税理士へ依頼するなら、月額料金に含まれる作業と、別料金になる作業も確認しておきます。

法人では、赤字でも法人住民税の均等割が発生する場合があります。横浜市も、赤字決算で法人税額が生じない場合でも、法人市民税の均等割の申告・納付が必要と案内しています。具体的な扱いは所在地の自治体で確認してください。city.yokohama.lg.jp

参考:横浜市「赤字決算の場合、法人市民税の申告は必要ですか。」

社会保険も確認が必要です。法人の事業所は代表者だけの場合も厚生年金保険の適用対象になりますが、本人の加入資格は報酬や勤務の実態などに応じて確認します。

本業の勤務先と自分の法人の両方で加入要件を満たす場合には、二以上事業所勤務の手続きなどが必要です。年金事務所や社会保険労務士に、想定する働き方と役員報酬を伝えて確認しましょう。nenkin.go.jp

参考:日本年金機構「適用事業所と被保険者」、「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

費用に加えて、請求、記帳、書類の保管などを、誰がどの時間に担当するかも決めておきたいところです。

5.一人で続けるのか、誰かと事業を広げるのか

法人化を検討する理由は、税金だけではありません。共同で出資する、役割を分担する、将来の採用を考えるなど、事業の進め方も判断材料になります。

共同で始める予定なら、少なくとも次の点を話し合いましょう。

  • 誰がいくら出資し、何を担当するのか
  • 重要なことを誰が決めるのか
  • 報酬や利益の配分をどう考えるのか
  • 一人が事業から離れるときにどうするのか

採用や外注をするだけで、必ず法人化が必要になるわけではありません。自分たちの計画に合う事業形態と、必要な契約・手続きを比較することが大切です。

一人で小さく仕事を受ける段階なのか、複数人で事業を育てる段階なのか。目指す姿を具体的にすると、相談するときにも状況を説明しやすくなります。

会社設立を急がなくてよい場合と、具体的に比較したい場合

今の状況に応じて、次の行動を分けてみましょう。以下は、考え方を整理するための例です。

今の状況先に取り組みたいこと
仕事内容や顧客がまだ決まっておらず、法人である必要性も見えていない勤務先のルールや必要な許認可を確認し、提供するサービスと受注方法を具体化する
個人で受注できているが、売上や経費を整理できていない毎月の売上・経費・入出金を記録し、事業の継続性を確かめる
法人契約の必要性がある、または継続利益や共同経営の計画を踏まえて比較したい個人のまま続ける場合と法人化する場合の費用・手続き・運営方法を具体的に試算する

会社設立を急がない場合も、個人で事業を行うために必要な届出や許認可、税務上の確認まで不要になるわけではありません。

一方で、取引先の条件や事業計画が具体的になっているなら、設立後の費用まで含めて比較する段階です。相談前に何を準備し、何を聞けばよいかは、次の記事で整理しています。

あわせて読みたい:会社設立の無料相談で何を聞く?準備するものと7つの確認ポイント

運営者が会社設立で手間取ったのは、最初の定款作成

ここで、キャリハピ運営者の会社設立経験を紹介します。

私は会社を設立しましたが、最初の定款の作成で手間取りました。創業時に使える融資制度についても、当時は知りませんでした。

会社を作る際は、定款などの書類の準備と、事業を始めてから使う資金の準備を、それぞれ整理する必要があります。

「事業内容は決まっているけれど、書類にどうまとめればよいか分からない」
「開業後の支払いに、いくら備えておけばよいか分からない」

こうした疑問があるなら、そのまま相談したいこととして書き出しておきましょう。

なお、創業融資は法人だけの選択肢ではありません。日本政策金融公庫の創業支援FAQでは、個人と法人の創業で融資申込みに大きな違いはなく、どちらかが有利ということはないと説明されています。jfc.go.jp

参考:日本政策金融公庫「創業支援 Q&A」

借入れが必要な場合は、法人化の判断とあわせて、資金の使い道や返済計画を相談してください。融資には審査があり、相談や申込みによって借入れが決まるわけではありません。jfc.go.jp

法人化を迷うときは、事業の現状を一枚にまとめる

法人化するか決められないときは、次の表を使って現状を整理してみてください。分からない項目は、空欄のままで構いません。

整理する項目書いておきたいこと
事業内容誰に、何を、どのような方法で提供するか
法人化を考える理由取引条件、事業拡大、費用比較など、きっかけになったこと
売上と経費現在の実績、または今後の見込み。実績と予想を分けて記載
お金の出入り入金日、支払日、開業・運営に使える資金
運営体制使える時間、自分が行う仕事、専門家や外注へ任せたい仕事
未確認のこと就業規則、許認可、維持費、契約条件など

このメモがあると、「法人化した方がいいですか」という質問を、自分の条件に沿った相談へ進めやすくなります。

相談では、個人のまま続ける場合も含めて比較し、費用や手続きの違いを確認しましょう。説明を受けたら、その場で決める前に、見積もりと依頼範囲を持ち帰って整理すると判断しやすくなります。

会社員の副業と会社設立についてのよくある質問

個人で副業を始めて、後から法人化することはできますか?

個人で事業を始め、状況に応じて法人化する方法があります。J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

ただし、切り替える際には、取引先との契約、資産や事業の引継ぎ、必要な許認可などの確認が必要になる場合があります。将来的な法人化を考えているなら、継続契約を結ぶ際に、名義変更や再契約の扱いも確認しておきましょう。

副業の売上がいくらになったら法人化すべきですか?

売上だけで一律には決められません。経費を差し引いた利益、事業の継続性、本業の給与、設立後の税金・社会保険・維持費などによって比較結果が変わります。

「売上が一定額を超えたから」という理由だけで決めず、自分の条件で試算することが大切です。

個人で得た副業収入は、すべて事業所得になりますか?

必ずしも事業所得になるわけではありません。

国税庁は、事業所得に当たるかどうかを、活動が社会通念上事業と認められる程度で行われているかによって判定すると説明しています。開業届の提出だけで、所得区分が自動的に決まるわけではない点に注意しましょう。nta.go.jp

参考:国税庁「所得税基本通達35-2の解説」

自分の活動をどう扱うか迷う場合は、仕事内容、継続状況、帳簿などを整理して税務署や税理士に確認してください。

会社設立で何を実現したいかを整理して、次の準備へ進もう

会社員の副業では、個人で始める方法と、法人を設立する方法があります。

判断するときは、まず「なぜ会社を作りたいのか」を具体的にし、その目的に対して、費用や運営の負担が見合うかを確かめましょう。

取引先の条件や事業の見通しが具体的になり、個人で続ける場合と法人化する場合を比較したい方は、相談に向けた準備へ進んでみてください。

次の記事では、会社設立の相談で確認したい7項目と、準備する資料をまとめています。設立を依頼するか判断する前に、費用・手続き・設立後の負担を確認するためにご活用ください。

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